人生にハリがない

大晦日ですね。

どうも僕です。10ヵ月ぶりですか。もう言い訳はしません、僕は負け犬です。コンスタントに更新できる人は本当にすごいなと思います。僕は一年に一回のペースでしか無理そうです。文章書くのしんどいですからね。しょうがないですよ。しょうがない。

 

今年の四月から就職しまして、毎日毎日ボロボロになっています。小さい頃から働きたくないと思っていたので、就労意欲ゼロの中での就活は地獄でした。就職してからはもっと地獄です。この世の苦しみが全て押し寄せてきます。体だけじゃない、心もボロボロです。たまの休みはひたすら寝て、ゲームして、映画観て、センズリこいて…。この世は地獄だと、よく分かっていたつもりなんですが、本質的には全く分かっていませんでした。ですが今ならよく分かります。この世に救いはないです。

 

ただでさえ文章を書く体力がないのに、日々の生活で消耗しきっている僕では2ヶ月に一回ペースでも無理ですよ。毎日書いても平気な人はすごいですよね。タフですね。あとマメです。僕なんかブログ用に作ったヤフーのフリーメールアドレスをチェックしようと思ったら6ヶ月使用していなかったとかで消されてましたからね。なんだよそれ。いつかものぐさで死ぬんじゃないか僕は。

 

そんなわけで2015年もいよいよ終わりなわけです。今年一年は地獄でしたが、来年からは死ぬまでその地獄が続くわけで、もう慣れなきゃいけませんよね。地獄の住人にならなければ。2016年は、『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』と『キャプテン・アメリカ:シビル・ウォー』という、二大アメコミヒーローケンカ映画が控えてますし、ゲームでは『アンチャーテッド』や『ジャストコーズ』の新作も出るので、まあこれからの地獄も適度に挫けつつやっていけるかなという感じです。

 

最後になりましたが、今年一年の私的映画ベスト10をやってみたいと思います。Twitterでやるのは怖いので、誰も見ていなさそうなこっちでやります。自分の趣味趣向を開陳するのは勇気がいりますから。こんな感じになりました。

 

1.『フォックスキャッチャー

2.『セッション』

3.『ウォーリアー』

4.『ジョン・ウィック

5.『アントマン

6.『キングスマン

7.『インサイド・ヘッド

8.『クリード チャンプを継ぐ男

9.『マッドマックス 怒りのデス・ロード

10.『ガールズ・ステップ』

 

では皆さま、来年も歯を食いしばって生きていきましょう。それでは。

隣のおじさんの奇行にも負けず『フォックスキャッチャー』を観た

※ネタバレがあります

 

最近最寄りの映画館がチケット購入時に割引クーポン券をくれる。毎回くれる。クーポン券を使っててもくれる。在庫を捌きたいんでしょうか、おかげで手元に五枚くらいあります。クーポンを減らすために行くのに、プラマイゼロでまったく減らない。だから特に観る気のない映画でも観てしまう。これが狙いなのでしょうか。とにかくそういうわけで、あまり興味のなかった『フォックスキャッチャー』を、なんとなく観たのです。そもそもこういうサスペンスというか、人間の心の闇!みたいな映画は性に合わないと思っていました。火薬のドンパチとか、激しい肉弾戦とか、スプラッタとか、そういうものが好みだったので、この手の映画は刺さらんだろうなあと。予告編もそんなに面白くなさそうだったし…。

 

まったくなんの期待もせず席に着くと、隣に落ち着いた雰囲気のおじさんがいました。僕は上映中、小さな物音などでも敏感に反応するたちで、また、自分の衣擦れの音なども他の人の迷惑になってないだろうかと不安になるチキンハートなので、このおじさんにも迷惑をかけないか心配でした。特に期待していない映画を、あまりよくない種類の緊張感でもって観るという、なんとも言えない微妙な状態だったのです。千数百円払ってこんな思いをしなきゃいけないとは、などとさえ思っていました。

 

あらすじは、レスリング金メダリストのマーク・シュルツが大財閥デュポン社の御曹司であるジョン・デュポンから自ら率いるレスリングチーム「フォックスキャッチャー」に誘われ、その申し出を受けるところから始まります。それからいろいろすったもんだあり、殺人が起こる、と。身も蓋もないですが、まとめるとほんとにこんな感じなので、ご了承ください。

 

実際の殺人事件が元になってるとか、スティーヴ・カレルの怪演がすごいだとか色々と話題はありますが、個人的にはチャニング・テイタム出てる、という印象しかなかったです。マーク・ラファロも『アベンジャーズ』以外で印象がなかったので。まあ、これは単に、僕が映画をあまり見ていないだけなんですが。とにかく、かなり印象が薄かった。果たして僕はこれを楽しめるのかと。で、結論から言うと、ボロ泣きしました。めちゃくちゃよかった。この手の映画にこんなにハマるとは思いませんでした。

 

とにかく、スティーヴ・カレル演じるジョン・デュポンとチャニング・テイタム演じるマーク・シュルツ、この二人が実にいい。ジョンは母から認めてもらいたいと願い続け、叶わない。マークは兄弟でメダルを獲ったのに兄ばかり充実した生活を送っていることに不満を感じ、ふてくされている。どちらも、実際には十分なステータスを手にしているはずなのに、満たされていない。常に生活の中に虚しさが居座ってるんですね。また、二人とも精神的に非常に幼稚です。ジョンは金で何もかもを思い通りにしてきた人生ですから、非常にわがまま。購入した装甲車(そもそもなぜ装甲車なんか買うんだ?)に機関銃が付いていないと言って業者がサインを求めた書類を叩き落とすという、いい年こいた大人とは思えないような振る舞いをします。一方マークは言いたいことがあってもはっきりと口に出さず、不満げな顔して押し黙ってるわけです。そして一人になると自傷行為に走ったり、兄デイヴとの練習では怒りに任せて頭突きをかまして流血させたり、メンヘラくさい部分がある。作品中盤で二人は共依存のような関係になりますが、この二人なら納得という感じ。

 

 僕にはこの二人が、なんだか他人には思えないわけです。もちろん僕はしがない大学生で、社会的地位を鑑みればこの二人にシンパシーを感じる部分はないのですが、こういうどうしようもない不足感や精神的未熟さが、まるで未来の僕を見てる様なんですよね。誰かに認めてもらいたくて、嫌なことがあったら癇癪を起こしたり、逆に押し黙ったり。親にやってきたことを褒められたり、気の置けない友達がいたり、そういう当たり前の経験が無いがためにこんなことをしてしまうんですよ。そんな二人が痛々しすぎて、そして自分を見てるようでつらすぎて、気づけば夢中でスクリーンに食い入っていました。

 

すると気づくわけです。なんか隣で動いてるぞと。ちらと見ると、先ほどのおじさんが靴を脱いであぐらをかいて、上半身を前後左右に揺らしているわけです。しかもなかなか過激に。デンプシーロールでもしてるのかな?と思ったくらいです。幸いというか奇跡的にというか、隣に座っている僕には何の実害もなかったのですが、視界の左端でゆらゆらと揺れる成人男性の人影というのは神経質な僕にはなかなかのインパクトで、少なからず心が千々に乱れました。多動症かまして周りに迷惑かけないか心配でしたが、まさか隣のおじさんが多動症だったとは…。

 

しかし名作というのは、たとえ隣に奇行デンプシーおじさんがいようとも、十分に鑑賞に集中させてくれるものです。そうこうしているうちにポスターにも登場している、マーク・ラファロ演じるマークの兄で(ややこしい!)同じく金メダリストのデイヴ・シュルツがストーリに絡んできます。精神的に未熟で、常に他者の承認を求めている二人にとって、このデイヴという男は非常に曲者です。なぜならこいつは、幸せな家庭、豊富な人望、健全な精神という、二人が持っていない、欲しくて欲しくてたまらないものをすべて持っているからです。共依存といういびつながらも良好な二人の関係は、このデイヴの登場と共に崩れていくわけです。ジョンはなんとかしてレスリングという自分が一番好きな分野で母に認めてもらいたい、しかしレスリングを嫌う母はジョンを最後まで認めないまま亡くなります。苛立つジョンはデイヴをチームに引き入れるんですが、兄抜きで結果を出したかったマークはジョンに裏切られたと感じ、彼を拒否するようになります。

 

この後、最悪な精神状態でソウル五輪の予選会に臨んだマークは、案の定初戦を落とします。すると持病の癇を爆発させてホテルの自室で大暴れ、そのままヤケ食いというメンヘラOLみたいな行動に走るのですが、そこにドアのカギをぶち破って駆けつけたデイヴは、マークに張り手を二発!そして抱きしめて言うわけです。「一人でもがくな」と。このセリフを聞いた瞬間、お恥ずかしながら涙腺が限界を迎えました。圧倒的な父性ですよ。頭突きで鼻っ柱を折られても、どんなに無視されても、負けてふてくされて馬鹿なことをしてても、弟を決して見捨てないわけです。これは兄弟愛というより、父性愛ですね。僕はマークが羨ましい。デイヴの、というかマーク・ラファロの息子になりたい。これが無償の愛ですよ。とにかく泣ける。兄デイヴから自立しようとして、しかしジョンに依存して、最終的にそのジョンからも見放されて(と、マークは感じている)、途方に暮れ孤独にもがいている彼を救ったのは結局デイヴだった。羨ましいなあ。マーク、きみはいい兄貴を持ったよ。いいなあ。

 

こうして悲劇的なクライマックスに進んでいくわけですが、これ以上書くともう全部説明しそうになるのでやめときます。

 

ジョン、マーク、デイヴ、三人全員、とても愛おしいキャラクターだった。ジョンは、親の愛に恵まれず、全てを金でどうにかしてきたという異常な環境で育ってしまった、悲しき怪物です。彼をサイコパスだというのは簡単ですが、あの虚ろな目を見るたびに、僕は悲しくなる。彼が欲しかったのは、もっと素朴なものだったんだよなあ。マークは、なんだかんだデイヴが大好きだったんじゃないかな。フォックスキャッチャーに誘われたときも、そこから抜けるときも、デイヴに一緒に行こうと話しているんですよね。寂しがり屋なんですよ。そして、変に自罰的なところがある。そんなに自分を責めるなよ。きみにはナイスな兄貴がいたんだからさ。そしてマークは、素敵な人だよなあ。見捨てないでいてくれる人がいるってことが、どれほど幸せなことか。だからこそラストのマークの表情が胸を締め付けるわけです。

 

いやほんと、まさかこんなに面白い映画だとは夢にも思わなかった。気が早いですが、2015年度最高傑作かもしれません。まあ、僕のクソッタレなメンタリティが作品とガッチリはまった、というのが一番の要因でしょうか。僕自身はめちゃくちゃ楽しめましたが、あまり人にはおすすめできないですね。気持ちのいい余韻を残す作品じゃありませんし。ただ、卑屈で幼稚で友達のいない男がわちゃわちゃやる映画が好きなら、間違いなく観るべきです。あとファザコンにもおすすめ。面白かったっていう人は、僕とお友達になってね。

口だけの僕をお許しください

タイトルの通りです。初投稿のときに「最低でもひと月に一回のペースを目標にしていこうと思っています」とかドヤ顔でかましていたのに、めんどくさがってもう五ヶ月近くも放置していました。これはいくらなんでも情けなさすぎる。読んでる人なんか一人もいないでしょうが、そういう問題じゃあないんですよね。理屈じゃない。これは自分と交わした誓いであって、守らなきゃならないんです。いやまあ守れなかったんですけど。しかし、意志の弱さは自分でも分かってましたが、まさかひと月に一回、誰も読まないような便所の落書きを更新することすらできないとは…。

 

このものぐさは生来のものですが、いい加減にどうにかしたいです。卒論すら締切当日の受付終了一時間前に滑り込みで提出しましたからね。あまりにも卒論やりたくなさ過ぎて、締め切り一週間前まで卒論の事が頭に湧いてこないよう延々とゲームばっかしてました。なんで現実逃避に一生懸命になってんだ。意味が分からない。その努力を卒論作成に傾けろ。ものぐさが僕の人生に貢献した例なんて、中学のとき飯を食うのがめんどくさすぎて寝てばっかりいたら10kg近く痩せて、肥満体だったのが太り気味になったくらいですよ。あとはずっと僕の足を引っ張っている。

 

ブログなんてのは所詮は自己満足の産物であって、更新しようと放置しようと自由だ、なんてのは承知しています。しかし冒頭にも書いたように、自分で決めたことなんですよ。守らなくても誰からも責められることはありませんが、だからこそきちんとしなきゃいけなかった。これは誇り、尊厳、矜持の問題ですよ。それをこうも簡単に反故にするとは、自分で自分が信じられない。恥ずかしい。こんなに恥ずかしい思いをしたのは、大学に入ったばかりのころ、夜道で後ろに人がいると知らず仮面ライダークウガの主題歌をニヤニヤしながら歌ってしまったとき以来ですよ。

 

とにかく、これからは意識を入れ替えて書いていきますよ。2ヶ月に一回更新を新たな目標としてね、はい。無理はしません。人生は、無理と犯罪だけはしないでいきたいものですからね。人にやさしく、自分にもやさしく。がんばるぞ。

 

あと、あけましておめでとうございます。

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を見て、君も友達を作ろう!

皆様、お久しぶりですね。すっかり秋めいてきた今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。僕といえば大学生特有のもうやめてと言いたくなるほどあまりにも長すぎる夏休みを、申し訳ばかりの就活と射精に費やすだけの非生産的な毎日でした。いやほんと学生生活最後の夏休みがこれかよって感じですね。何をやっているんだ僕は、とうとう最後の最後まで青春というものを味わえなかった。まあ遊びに行く用事もなければ、ワイワイやる友達もいませんけどね。

 

いたずらに過ぎ行く時間。ブログタイトル通りのハリのない生活。干からびたナメクジのような精神状態で朝起きて、飯を食って、夜寝るだけの生活。花も恥じらう大学生がこのままでいい筈がありませんね。というわけで、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を観に行ってきたのです。CMでさんざっぱらアライグマが銃を撃ちまくっていたアレです。ドンパチアクションヒーローものでも観て眠っていた脳細胞を叩き起こそうという短絡的な考えでしたが、しかしこの作品は見事にその期待に応えてくれました。これを観に行こうと決めた僕自身を褒めてあげたいくらい。よくやったぞ、僕。

 

もともとのアメコミ好きが手伝ってアメコミ映画は殆ど例外なく楽しめるクチなんですが、それを差し引いてもこの作品は素晴らしい。魅力的なキャラクターたち、単純だがそれゆえスッと入ってくるストーリー、そして「Hooked on a Feeling」(CMのウガチャカのやつです)に代表される個性豊かな挿入歌、どれもが長らく刺激とご無沙汰だった僕の脳みそにウェスタラリアットの如き衝撃を与えていきました。アクションに興奮して、ストーリーで感動して、宇宙船にワクワクして、音楽で楽しくなって、ガモーラにキュンとする、至高の122分間。さながら「観るアッパー系ドラッグ」といったところでしょうか。すごい。すごいぞマーベル。すごいぞ宇宙。

 

主人公スターロードを含む五人。一番左が紅一点のガモーラちゃんです。かわいい。

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緑肌だし怖い感じですけど、慣れてくるとかわいく見えてくるんですよ。ほんと。

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そんな中で僕が個人的に一番推したいのは、主人公たちの友情です。宇宙のならず者たちが、今まで犯した過ちや後悔、悲しみを乗り越え一致団結し、困難に立ち向かう。見てるこっちが気恥ずかしくなるほどの直球ですが、ささくれだった心に染み入ります。特に今作のヴィラン、ロナンとの最後の攻防は、キン肉マンかと見まごうほどの光り輝く友情パワーが轟きまくり、僕の涙腺もつられて轟きまくって大号泣。本当に素晴らしいものを見せてもらいましたよ。天性のロンリーボーイであるこの僕が観賞後、「友達欲しい…」と呟くほどですから、皆さんにもこの作品が放つ友情パワーがどれほどのものか想像できると思います。観たらきっと友達が作りたくなる映画、それが『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』なのです。

 

ここまでベタな友情賛歌は、今どきのアニメや漫画でも滅多にないんじゃないかと思います。それぐらいベタベタで、熱い映画です。それゆえ好き嫌いが分かれそうですが、もっとたくさんの人が観て、みんなが熱き友情パワーで正義超人みたいになってくれたらうれしいな。僕も及ばずながら友情パワーで熱くなるので、一緒に銀河の守護者になろうぜ。そしたらみんなでダンスバトルだ。

 


Blue Swede - Hooked On A Feeling (Guardians of ...

筋肉とプリケツとエンジン、つまりワイルドスピードの話。

最初に断っておきますと、僕は車にはあまり興味がありません。確かにスポーツカーやスーパーカーはかっこいいと思うし、ドリフトをキメて急カーブを走り去ったりするシーンには興奮しますが、かといって車種やメーカーを覚えることはないですし、雑誌やレースの中継を見ることもないです。免許持ってないので、実際に乗ることなんかもちろんありません。よくよく考えるとこんな僕が、マッチョな男たちがブイブイいう車に乗ってブイブイいわす映画を好きになるというのも不思議な話です。でも好きになってしまったものはしょうがない。というわけで、『ワイルド・スピード』おもしろいよ、という話をします。

 

そもそもなぜこのシリーズにハマったのかと問われれば、単純な話、僕が持っていないもの、憧れていたものがあったからですね。僕は小さいころからデブで気弱でブサイクといういじめられっ子のサラブレッドのような人間で、それはまあしこたまいじめられたわけなんですが、その反動で筋骨隆々の男に強い憧れを抱くようになりました。強い男になりたかったんですね。どんな逆境にもくじけない男ですよ。心も体も強い、あらゆる問題をワンパンで解決するマッチョです。プロレスやヒーローものが好きなのも同じ理由ですね。映画なんかでもドンパチやるアクションばかり見てました。また、マブいスケにも憧れてました。筋金入りのいじめられっ子である僕はもちろんクラスの女子から存在を黙殺されていて、ありていに言えばガン無視されていたわけですが、こんな青春時代を送っていれば美女の一人や二人、はべらしたくなるのも当然の帰結でしょう。おもむろに横にいる美女のケツを鷲掴みにしてガハハと下卑た笑い声をあげたりしたい、毛むくじゃらの指でおっぱいをまさぐりたい、そう夢見てましたね。そして、こうした夢や憧れをこんもりと詰めこんでいたのがワイルド・スピードシリーズなわけです。

 

知人にDVDを貸してもらったのが、最初の出会いです。そこまで興味はなかったんですが、しかし10年近く続いているシリーズなわけだし、そんなに続いてるならハズレはないだろうという軽い気持ちで借りました。車は一切分からないし、別にヴィン・ディーゼルも好きじゃないし、ていうかこのポール・ウォーカーって誰だよ(笑)という舐めきった態度で、まあ暇つぶしにはなるかと見たわけです。しかし、1作目を見終わったころには、心は完全にドラッグレーサーになっていましたね。なんやこれ、最高に面白カッコいいやん!と真夜中に一人興奮したのを覚えています。一応アクション映画の括りなのに人死にがあまりないとか、ラストは敵のボスと戦闘とかではなく主人公同士によるレース勝負とか、今まで見た映画とは一風変わったテイストだったので余計に印象に残りましたね。まあそういうノリも3作目の『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』ぐらいまでで、後の作品になってくると普通のアクション映画っぽくなってしまうんですが…。とにかく、カーアクションは『スピード』くらいしか馴染みがなかった僕としては、とても新鮮で面白かったわけです。そもそも『ワイルド・スピード』と『スピード』、区別ついてなかったですからね僕。

 

出演者たちの筋肉も素晴らしかった。主人公ドミニク・トレットを演じたヴィン・ディーゼルは言わずもがな、僕の理想とする、全ての問題をワンパンで解決するマッチョを体現していました。もう最高。筋肉最高。また、もう一人の主人公ブライアン・オコナー役のポール・ウォーカーは、188cmの長身をまったく生かしていない武骨なガチファイトが最高ですね。パッと見ひょろいので弱そうなんですが、アクションシーンで見せるしゃにむに食らいつくスタイルがとてもグッド。そして5作目『MEGA MAX』から登場するルーク・ホブス役のロック様は、現役WWEスーパースター時代から明らかに増量している暴力的なまでの筋肉で、シリーズのマッチョイズム度向上に貢献しています。彼の筋肉は見てるだけで楽しいですね。目を楽しませる筋肉です。アクションも「暴力の権化」って感じで最高。さすが業界一シビれる男!

 

また、他にも見どころとして、このシリーズでは全作品で必ず一回はストリートレースのシーンが登場します。『ワイルド・スピード』の原点とも言えるシチュエーションなので外せないということなんでしょうが、ここで注目してもらいたいのは車でもレーサーたちでもありません。「ケツ」です。このシリーズはなにかケツへの並々ならぬこだわりがあるんでしょうか、レース会場の見物客たちを写すシーンでは必ず女性のケツが登場します。本当に必ずです。というか他のシチュエーションでも出てきます。場所を選ばずありとあらゆる状況下で、脈絡なく出てくるケツ。おっぱいも強調されていますが、やはり圧倒的にケツに分がありますね。僕の見立てでは、おそらく制作陣の中に偏執的な尻フェチがいるとにらんでいますが、とにかくケツに対する恐ろしい熱情を感じるわけです。

 

ケツ!ケツ!ケツ!プリケツ見たけりゃこれを見ろ!!! 

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僕は、マブいスケがプリケツを振り乱して踊る姿がスローで映し出されると、「ああ、ワイルド・スピードを見ているんだなあ」という多幸感に包まれますね。ケツがなきゃ『ワイルド・スピード』じゃない。この映画は最高のプリケツ映画でもあるんです。

 

しかし、このシリーズ一番の魅力は、やはりどんどんとヤバくなっていくその展開にあるでしょう。そもそも原点であるストリートレースに励んでいたのは3作目までで、あとはレースなんて添え物みたいな扱いです。4作目『ワイルド・スピード MAX』から目に見えてドンパチが増え始め、6作目『EURO MISSION』ではとうとう戦争状態に突入。よく分からん水中銃みたいなガジェットで車を行動不能にし、戦車が登場してあちこちを破壊、挙句の果てには滑走路で飛び立とうとする飛行機に食らいつき爆破する。ドヤ顔しながらニトロをぶっ放し抜きつ抜かれつで一喜一憂していたあの頃が懐かしい…。ドラッグレースが牧歌的に見えるほど、破壊と戦闘のインフレが起こってしまったのです。というか6作目の終盤なんて、半分肉弾戦ですよ。カーアクションなんてしゃらくせえ、俺たちの筋肉を見ろい!と言わんばかりの筋肉ダルマたちの肉弾祭り。どこに「スピード」の要素があるんだ?これじゃ『ワイルド・パワー』だろ!でも筋肉見れるし、まあいいか!と思わず納得させられてしまう、膂力を持て余したマッチョたちの遊び。このようにカーアクション映画からドンパチ肉弾映画になってしまったこのシリーズは、しかしそれでもなんだかんだ車への愛が感じられるし、ここまで書いておいてなんですが普通にカーチェイスは白熱してカッコいいし、やっぱり好きなんだよなあ。

 

世の中は辛く厳しいものです。心が折れそうになることばかり。始末に負えないのは、心が折れてしまってもなおその厳しさが手を休めないところです。ポッキリ折れてしまった心をどうやって慰めるのか…。そんなとき僕は胸を張って、このワイルド・スピードシリーズを見てくれ!と言いますね。どんな悩みも、少なくとも見ている間だけはきれいさっぱり忘れられる。そして筋肉と爆発でカーッと熱くなれるんです。それは最高に素敵なことなんじゃないかなあ。素敵なことが全然ないこんな世の中だし、それぐらいは許されますよね。いや、許されなきゃ困るよ!

オリジナリティ欠乏症

吉田兼好が書いたとされるかの有名な随筆集『徒然草』の中に、「すこしの事にも先達はあらまほしきことなり。」という一節が出てきます。何事においても教えてくれる人がいて欲しいよね、という意味です。言葉自体は別に人の性格を表したものではないですが、しかし僕の性格は、この言葉のように常に先達を求めています。つまり、何事もお手本や正解がないと行動に移せないタイプなのです。これからいっぱしの社会人としてやっていくはずの若者としてはあまりにも不甲斐ないというか、情けない性格。

 

例えば履歴書一枚を書くのにもいろんなサイトや指南書を参考にし、殆どの文句をそのお手本の中から抜き取って書いたりします。すると、ペラいというか、どこかで見たことあるような、オリジナリティのかけらもない貧弱な文章になるわけですね。趣味の分野でもそう。ゲームは攻略wikiを見ながらプレイしたり(最近はその限りでもないですが)、本を読むのも映画を見るのも評判を調べてからでないと気がすみません。とにかくやってみるとか、自分なりに考えるということができない性分なんです。完璧主義なんでしょうか、失敗したくないという気持ちが強すぎて、先例に必要以上に倣いすぎるきらいがある。こういう根性はもちろんこのブログでも表れていて、ブログ作成をするにあたり色々と他の人のブログを読んだりしました。どんな事書いてんのかなとか、タイトルはどんな感じかとか。果ては記事をカテゴリ分けするタグの名前とか、ページのデザインとかも参考にしようとする。もう書いてて情けないですよ。自己表現の場であるブログでさえも、僕は自分の色を出せないわけです。

 

そんなこんなでブログを作って一月ぐらいは、ウンウン唸りながらあーでもなこーでもないと思い悩んでいました。最初の記事は6月10日の投稿ですが、実はブログ自体は5月の頭くらいにはもう作っていて、それからずっと非公開だったんですね。あの短い「初投稿」という記事を書くだけで、それだけの日数がかかったわけです。無駄に考えすぎ。しかし深刻に考えすぎる割にはあまり頭が良くないので、そのうちブログごときで悩んでるのがバカらしくなってきた。まあ考え込んだところでスラスラ書けるわけでもないし、そこまで入れ込むほどのものでもない。というかそもそも、僕就活生ですからね。こんなことで悩んでる場合じゃないんですよ。なにが「オリジナリティ欠乏症」だ。ESでも書けバカ。

 

僕はこうして考え込んで頭がこんがらがると開き直るタイプでして。まあ問題解決能力に乏しいので開き直るしかないわけですが、こうなるともう後は適当ですね。このままやってしまえと、ブログデザインは初期のまま、タイトルも文章も好き勝手です。どうせ小洒落た感じなんかには出来ないんですしね。いや、よく考えなくてもそれで正しいんですが。自分のブログだし勝手にやればいいんです。正直な話をすると、ここまで考えすぎた意味が分からない、誰に頼まれたわけでもないのに。こうやって自分で自分に変に負荷を掛けてしまうんです。一人で気張って勝手に生きづらくなってる。こういう積み重ねが鬱に繋がるんでしょうかね。怖いなあ。健康な心でいたい。

 

まあとにかく、僕にはオリジナリティがない、たった数百文字書くだけでも一苦労なんですよ、と言いたいわけです。いや、言われても困るのは重々承知ですが…。僕はそういう人間なんだよ、ということをただ主張したかった。それだけですね。他に意味はないし、特に意味もない。社会には1ミリたりとも資することのない文章ですが、でもブログってこういうもんでしょ。何の役にも立たない便所の落書きを、一つのウェブページの体裁をとって不特定多数に見せびらかす。僕の中のブログはそんな感じなので、このブログもそうしていきたいですね。まかり間違っても真面目な記事なんか書かないですよ、政治とか。バカが論客気取りとか目も当てられませんからね。そういう恥はかきたくない。ただでさえ実生活で恥かいてんのに。

 

ここまでこうしてつらつらと書いてきて、だいたい1700文字ぐらいですね。これってブログの一記事としてはどうなんですかね、長さ的に。個人的には、あれほど作文が苦手だった僕がこれほどの量をスラスラ書けることに驚きです。いや、前回も最後に文字数書いたので、なんだかめちゃくちゃ文字数にこだわりがあると思われるとアレですが。ただ思い付きで書き始めたので、オチが思いつかないだけです。うーん、どうしよう。

 

よし、これといって上手い結びが思いつかないので、なんか終わりっぽい動画を貼ってお茶を濁そう。というわけでみなさん、さようなら。(動画は個人的な趣味です)

『X-MEN:フューチャー&パスト』を見ました

大変な問題が発生してしまいました。書くことが何もない。

 

だいたい文章で自己表現することがまったくない生活を送ってきた人間がいきなりブログを始めようなんて、土台無理な話だったんです。一体何を書けばいいのか。日々を無感動に生きている僕には、生活の中からわざわざ文章にするような経験を抜き出すなんて芸当出来やしませんよ。そもそもブログに書くような出来事がない。本当に何のイベントも起こらないんです。毎日ブログを更新しているような人は、僕から見れば化け物ですよ。何をそんなに書くことがあるのか。ちょっと人生彩られ過ぎでしょう。僕なんもないですよ本当に。昨日の夕飯鰻丼で幸せだった、くらいです。

 

で、ですね。これではいけないと思ったわけです。前回の記事でゆっくり自分のペースで云々と書きましたが、想像以上に更新する意欲が湧いてこないことに焦りを感じたんですね。アカウント作るときの仮登録でミスして、問い合わせメール送ってまで始めたブログですよ。サポート窓口の方に、onnnenman様とこっぱずかしいID名で呼ばれてまで作ったブログですよ。書かなきゃもったいないです。開設して満足して放置なんて駆け出しインターネッターみたいな真似できません。それじゃどうしようと考え、他の人は何を書いてんだと思い返してみると、映画や漫画や小説の感想を書いてたりするんですね。こんな定番ネタを完全に忘れているあたり、すでにブログに向いてない気がするんですが、まあ気にしてもしょうがない。というわけで、さっそく映画を見に行きました。文字数が650文字を超えてようやく本題に入るわけですね。遅い。

 

X-MENの映画シリーズは2000年から6作続いてまして今作を入れると7作目ですね。今をときめくマーベルアメコミ映画の看板シリーズです。まあ基本的な情報は他のところがもっと詳しく丁寧に説明してると思うし、そんな真面目に映画批評出来ないのでこれくらいにしておきましょう。

 

最新作を見に行くわけですからもちろん全作見てるよ!と言いたいところですが、実は全く見てません。そもそも主人公のウルヴァリン、映画だとあのマスク被らないただの筋肉ムキムキおじさんだし、あんま興味湧かなかったんですよね。というかあれはただのヒュー・ジャックマンでは。もっとアメコミくさいコスチュームとか欲しかったんですけど、今思うとこのシリーズにそれを求めるのは違うかな。

 

6作目『ウルヴァリン:SAMURAI』の没シーンに登場したマスク。ちょっとくらい被ってくれてもよかったのでは。

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しかしシリーズ7作目、しかも独立エピソードではなく続編ですので、過去作を見ないことには話が分からない。もともとアメコミは邦訳本細々と集めたりアニメ見たりと普通に好きだったので、ここらで一念発起して映画にも手を出そうと。駅前のTSUTAYAに駆け込み全作借りて寝食を惜しんで見ましたよ。夜が明けるころには、身も心もすっかりウルヴァリン。一人の童貞大学生X-MENが誕生しました。頭の中はファイナルディシジョンのエレン・ペイジのプリケツと、ファースト・ジェネレーション冒頭のロリミスティークのキュートなスマイルでいっぱいです。目を爛々と輝かせ、いざ映画館へ。

 

※ここから少しネタバレします

 

ストーリーは、なんか未来がやばいから過去を変えて未来を改変すんべ!というSFだといたってありがちなもので、それ自体には特に真新しさはありません。究極のオールスターという触れ込みも、別に過去と未来のミュータント達が一堂に会するわけではないので特に実感はないですね。今作はラストでアメコミお得意のリランチ(複雑になった設定やストーリーをリセットし、最初から仕切り直しすること)をかましたので、個人的にはラストのためだけの作品なのかなと。今まで13年間に渡って積み重ねてきたものをすべてぶち壊すような行いですが、ろくな活躍シーンもなく死亡する瞬間すら映らず死んでいったサイクロップスが復活してくれたので、まったく問題ないですね。これからはじゃんじゃんオプティックブラストをぶっ放してくれ!スコット!

 

だいたい映画だとサイクロップスの扱いが酷すぎるでしょう。X-MENのリーダーであり中心人物ですよ。クロスオーバーものだと、だいたいX-MEN陣営のボスやってますし。映画でしか知らない人には完全に雑魚キャラだと思われてますよね。ジーンもウルヴァリンに半ば寝取られてるし。そんな不満を鬱々と溜めていたサイクロップスファンにはたまらないラストですよ。

 

そんな今作でも屈指の大立ち回りをかましてくれたのがクイックシルバーです。中盤に登場し、ケネディ暗殺容疑を掛けられ投獄されていたマグニートーの救出に手を貸してあっさり去っていきましたが、数少ない活躍シーンでは文字通りの無双状態でした。能力はめっちゃ速く走れるというだけですが、はっきり言って作中最強なんじゃないかというほど。というかシリーズでも最高のアクションでしたよ。あれの為だけでも今作を見る価値はあります。かっこよさとコミカルさが上手く同居したあの感じはクセになりますね、マジですごい。しかし、高速で動くキャラというのは何でこうもかっこいいんでしょう。009しかりファイズのアクセルフォームしかり。僕は超の付く鈍足なのでものすごく羨ましい。はぁ、僕もクイックシルバーになりたい。

 

速い!そのうえ色男!

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シリーズをきちんと追ってないとつらい作品ではありますが、見て損はなかったですね。しかもさらに風呂敷を広げて終わったので、これからもX-MENでニコニコできる日々は続きそうです。皆さんもぜひ見てみては。もう公開終了しそうですし。

 

しかし長く書きすぎたな、もう2300字を超えてますよ。ペース配分をまったく考えてませんでした。次はこの反動で一気に短くなりますね、きっと。でもいい暇つぶしになることは分かったので、これからもぼちぼち書いていこうかな。ではまた。