人生にハリがない

2018年私的ベスト映画10選

どうも。今年も終わりですね。皆さんにとって今年はどんな一年でしたか?僕はちょっと色々あったというか一念発起したというか、とうとう仕事を辞めまして、一人暮らしも始めました。今は貧民をしております。映画は前みたいに毎週観に行けるような感じではなくなってしまい、ちょっと悲しいです。あんまり気にしてませんが。


実は今年から手帳をつけ始めました。と言っても書き込むほど予定がある人間じゃないので、ジムに行った日と観に行った映画の記録を書き込むくらい。一年でどれくらい映画を観るんだろうかという確認と、記憶を風化させないためです。いつどこで何を観たか記録しておけば読み返して思い出せますから。でも今回これを書くにあたって手帳を読み返したら、笑っちゃうくらいジムと映画以外の書き込みがなくて、なんか面白いというかむなしいというか、不思議な気持ちになりました。あと会社の飲み会に出た日は、「虚無。」とか「セクハラを見せつけられてクソ。」とかしょうもないことばっかり書いててバカみたいでした。まあどうでもいいや。とりあえず10本紹介します。なお、国内初公開が今年の作品のみを対象としてます。


10.『レディ・プレイヤー1』

僕みたいなキモオタなら、まあ挙げますよね。とにかくオタクの好きな作品を詰め込みまくったおもちゃ箱のような映画で、観ていて飽きない。延々と画面を眺めていられます。「ブルース・ウェインの乗ったメカゴジラとZZのポーズを決めるガンダムが戦う」とか、バカなオタクのチラシの裏みたいなシチュエーションが満載のラストバトルは本当にヤバい。個人的に、『HALO』のスパルタン部隊、『トゥームレイダー』のララ・クロフト、『バットマンアーカム・ナイト』のアーカムナイトが登場してきて大興奮し、スポーンで止めを刺されました。正直ストーリーはあんまりって感じなんですが、逆にオタク的感動の瞬間最大風速は、これまで観てきた映画の中でもトップクラスですね。

9.『監獄の首領』

刑務所内で絶大な権力を振るうとある受刑者を探るため、潜入捜査官が孤立無援の状況で奮闘する、というよくある筋書きなんですけど、畳みかけるような展開や、韓国映画らしいどんな時でもユーモアを忘れないコミカルさが楽しい。あと、僕の大大大大大好きな「圧倒的な力を持つ強者に、身一つで食らいつく主人公」という展開をやってくれたのが最高でした。ラストの対峙は、画的な強さも相まってめちゃくちゃ興奮しますよ。

8.『ALONE/アローン

正直言うと、これはあんまり胸を張っておすすめとは言えないんですよね。アーミー・ハマー主演の戦争映画なんですが、あんまり戦闘描写ないし、内容もかなり内省的なので。地雷を踏んでしまった男が砂漠の真ん中でタイトルの通り孤立するという話なんですが、オチまで観るとなんだよそれって言われるような感じになってます。ただ、仕事を辞めた直後の僕にクリーンヒットしてしまいまして、そのオチも含めて、背中を押してもらった作品だなと。それにしても、地雷の絡む戦争映画は良いものが多い気がします。『ヒトラーの忘れもの』とかも良い映画でしたよね。

7.『グレイテスト・ショーマン

ちょっとストーリーが雑で、映画鑑賞中は基本的になんでも楽しく感じてしまう僕ですら、それでいいの?って思ってしまう部分がある映画なんですが、そうした粗を凄まじい名曲と圧倒的パフォーマンスで叩き潰してしまうという、げに恐ろしき作品となっております。とにかく名曲だらけで、ミュージカルパートは全て楽しい。鑑賞後帰宅してからすぐさまサントラを購入してしまいました。ちょっと本当に曲がよすぎて、この前再観賞した時も、二度目だし冷静に見てやるぞと思ったら普通に号泣してました。やっぱりミュージカル映画の感情揺さぶり力は半端ないですね。ちなみに僕が本作で一番好きな曲は「Come Alive」です。静かな前奏からの盛り上がりが良いですね~。


 

6.『悪女/AKUJO』

ドローンの空撮による凄まじいバイクチェイスでも話題になった本作。冒頭では『ハードコア』よろしく主観視点で、ゴア描写満載の血みどろアクションもぶちかましてくれて、非常に楽しい作品です。おどろおどろしい裏社会の暴力に、他人に利用され人生をぐちゃぐちゃにされた女性の反逆を乗っけた展開は、個人的にとても痛快でした。また、女暗殺者養成機関の描写も面白くて、浮世離れしてるんだけどなんかヤバい女子高みたいな身近さが感じられました。主演のキム・オクビンは正統派の美人さんで、とっても素敵です。

5.『操作された都市

なんか全然有名じゃないですよね。めちゃくちゃ面白かったんですが。身に覚えのない罪を着せられた男がその秘密を暴くうちに巨大な陰謀と対峙するというお手本通りな筋書きなんですが、役に立つんだか立たないんだかわからないオンゲー仲間やゲーマーのくせにテコンドーの有名選手だったとかいうラノベみたいな主人公などがガンガン動き回って、テンポよくサスペンスアクションをかましてくれます。ラストのスカッとする逆転シーンは気持ちがいいですよ。あとなんか続編を匂わせる終わり方だったのはすごい気になりますね。何らかの企画があるんでしょうか。映画『焼肉ドラゴン』のお父さん役キム・サンホが、悪人面を活かした囚人役で出てくるのも注目です。

4.『ラッキー』

この映画は本当にすごくて、なんにもドラマチックなことが起こらないし、衝撃の展開もないし、大仰な演技も、壮大で感動的なBGMも、美男美女も一切出てこないんですけど、泣けるんですよね。死生観についての示唆に富んだ会話は、不思議と死ぬことに対する親しみを覚えさせるというか。死に向かい合う映画なのに、めちゃくちゃ死ぬのが怖い僕でも、とても心穏やかに観ることができました。主演のハリー・ディーン・スタントンは、実際に本作の公開前に91歳で大往生を遂げたということで、それを踏まえて観るとさらに味わい深い作品だと思います。

3.『犯罪都市

敵である中国マフィアのボスがキレまくってるヤバい奴でめちゃくちゃ怖いんですが、そんな奴が相手でも一切不安を感じさせない主人公の圧倒的な強さ。さらにすっとぼけた受け答えや、悪人のようなずる賢さ、それでいて人情に篤いところなど魅力の交通渋滞が起こっている名キャラクターを、マ・ドンソクとかいう韓国が生んだ奇跡の存在が演じ切っています。ラストの対決の「待ってました!」感がとても素晴らしい。「真実の部屋」や「弁護士のスタンさん」など、警察の暗部をうまくユーモアに落とし込んでいる点も、気持ちよく観れる娯楽映画として非常にポイントが高いですね。

2.『ミッドナイト・ランナー

「未熟者が頑張る話」で、しかもバカな若造2人組が主人公という、僕の大好物をかましてくれた作品。だいたいこの手のバディものは脳筋な体育会系と冷静沈着なインテリと相場が決まってますが、本作の新鮮で面白いなと思うところは、コンビ2人がどちらも揃ってバカなところですね。登場する犯罪や被害者は割とシャレにならないというか結構重いんですが、バカで未熟で自分のやっていることに迷っていて、でも目の前で傷つけられている人を見ると思わず走り出してしまうという主人公たちの七転八倒で、絶妙に笑いあり涙ありに仕上がってます。こういうどストレートな映画、もっとどんどん出てきてほしいです。

1.『ファイティン!』

今ちょっとトレイラー観たら、内容思い出してそれだけで泣けてきました。家族の絆に乏しい家庭で生まれ育ったので、この手の家族愛を描いた映画には失笑するかめちゃくちゃ感動するかの2択なんですが、これは後者でしたね。家族の絆を血の繋がりに託していないところがポイント高かったです。さらにスポコン要素もあり、挫折から立ち上がる逆転劇でもあるので、個人的なツボが抑えられまくった映画でした。もうめっちゃ演出がクサいというかありきたりな感じなんですが、奇を衒わない王道をズバッとやってくれたのが本当に好き。生まれた時から孤独だったアームレスリング選手が、本当のピンチに陥ったとき、これまでなにげなく重ねてきた、アームレスリングと同じ手と手を組み合うという触れ合いから力を得るという演出は、ちょっと凶悪ですよ。もうこれ書いてるだけで目が潤んできましたわ。やっぱりマ・ドンソクは最高。



というわけで、ベスト10のうち6本が韓国映画でした。本当に今年公開された韓国映画はすごかったです。『タクシー運転手 約束は海を越えて』とかも話題になりましたよね。普通なら観ることができない海外の映画がこんなに国内で公開されるなんて、いい時代になったものです。


そんなこんなで、今年もあとわずかとなりましたね。本当に色々あって、正直生活は苦しいのですが、まあ来年には何とかなるでしょ。というか何とかするでしょ、来年の僕が。何とかしないと終わるしね。TGS行ったり、年金の特別催告状もらったり、行動を起こすと結構いろんなことが体験できるんだなと分かりましたし、視野の広がった一年でした。とりあえず来年は、生計を立てられるように頑張ります。皆さんも頑張ってくださいね。それでは。