人生にハリがない

25歳になったのですが。

だんだんと涼しくなってきてはいるものの、未だ夏の最後っ屁のような暑さが飛び込んできたりもする今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。どうも僕です。


私事ではありますが今月の11日に誕生日を迎え、25歳となりました。四捨五入すればとうとう大台の30歳、アラサーと呼んでも差し支えないお年頃です。これはちょっと本当に青天の霹靂という感じで、グダグダと寝て起きて、飯を食みクソを出し、ゲームをピコピコしてオナニーして、2年と5ヶ月いやいや仕事をしていたら、25回目の誕生日を迎えていたという感覚。子供の頃は25歳と言ったら、洗練されて颯爽と肩で風を切るイカしたヤング・ガイというイメージがあったのに、鏡に映るはだらしない猫背に無精ひげを生やし、目の下に黒々としたクマの浮かんだなんとも覇気のない醜男です。どうしてこんなことになるまで放っておいたんだ!と叫びたくなりました。しかし、こんなになるまで放っておいたのは、他ならぬ僕自身なんですよね。年を重ねるだけでは人は大人にはなりません。時間経過で自動的に大人になれたら楽なんですけど、実際には様々な経験と、努力と、意識が必要なんですね。僕は子供のまま大人になってしまった。もう取り返しはつきません。


先日、僕の大学時代の知人が結婚をしました。25歳での結婚なんて今時別に早くもないし珍しくもないですが、僕はちょっと衝撃を受けました。身の回りの自分と同じだと思っていた若者が、結婚という大人の階段を駆け上がってしまったのです。またその結婚情報につられてなのか、すでにプロポーズを済ませたという人や、すでに名字が変わっている人、結婚を前提に同棲に入った人などがいるという知らせがドカドカと舞い込んできました。もちろんそういった色恋の話だけではなくて、どこそこの店長になっただとか、転職してホワイト企業でよろしくやってるとか、なんかよくわかんないけど営業売り上げ全国3位になって本社勤務になったとか、仕事の方面でも大人っぽい話を聞きます。もう僕は恐ろしい。世界の進む速度についていけていない。みんな何をやっているんだ。人生は徒競走じゃないんだぞ。そんなにみんな揃ってダッシュしなくてもいいじゃないか。卒業してまだ3年も経っていないのに、きちんと大人をやっている人がたくさんいる。まあもちろんそうでない人だっているんですけど、だからこそ、やれている人とやれていない人の対比がくっきりと浮かび上がってきたような感じになり、なんとも恐ろしい気持ちになりました。


翻って僕です。その知人の結婚報告を受けたときは、暇だったので自室で金玉を弄くり回していました。手遊びのときのちょうどいい相手になるんですよ。それに、金玉に生えた毛って、毛根の部分がぷっくりとふくらんでいて、なんとも珍妙な形をしているんですよね。可愛げのあるキモさというか。その時も金玉を揉んだり引っ張ったりして時間を無為に過ごして、凶悪な知らせに対する心構えなど全くできていなかったのです。いやさ、ありとあらゆる今生の全てに対して、現在進行形でなんの心構えもできていないのです。真っ当な成人男性なら、少しばかりの驚きと祝福の心でもって受け止められる知らせを、僕は受け止めきれなかったのです。未熟な男なのです。未熟な25歳児なのです。


そういえば、僕は25年間生きてきてなにも成し遂げてい無いような気がする。別に大それたことじゃなくて、部活を頑張ったとかバイトを頑張ったとか、何らかのことを頑張って賞をとったりして実績を残したとか、実績がなくとも積み重ねてきた経験があるとか、そういったことが一切ないと思う。少なくとも個人的には記憶にない。学生の時分特有の、有り余る時間と若さでもって得体の知れない愚行をしたりという経験もない。1日10数時間机にかじりついて勉強しまくったことだってない。なんにもない、なんにもない、まったくなんにもない。もちろん、星がひとつ暗い宇宙に生まれることだってない。


本当に、ボンヤリ揺蕩うように生きていたら四半世紀経ってしまっていた。そんな感じです。でもこういう人って意外と多いのかな。自分なりに普通にやってきたつもりが気が付くと周りから10馬身くらい離されていて、しかも自分は世間から見ると間抜けな未熟者であり、自分にとっての「普通」と世間にとっての「普通」の想像以上の乖離に打ちのめされる。みたいな。就職して、ヘロヘロになりながらもなんとかあぶく銭を稼ぎ、ようやく女性とも変に緊張せずに話せるようになり、ようやく普通の、平均的な人間になれたと思っていたのですが。普通の平均的な人間は25歳にもなったら、恋人を作って結婚を前提とした生活を始めるフェイズに入っていてもなんらおかしくないわけですよね。いや、別に入っていなくてもそれはそれでおかしくはないんですが、少なくとも、夜中に金玉を弄って暇を潰しているような生活はおかしいでしょう。早く寝ろよ。


多分来年の誕生日もこんな感じなんだろうし、5年後も10年後も、25年後もそうなんでしょうね。僕はいつまで生きているのかな。なにかひとつは成し遂げたと思えるようなことをしたいですね。自分で自分を褒めてやりたくなるようなことを。自分を認めてあげられないのは辛いものですよ。結局、そうやって自分を誇らしく思えるような経験を積めていないことが諸悪の根源なのかも知れないですね。自己肯定感を育めなかったことが。自己肯定感。この期に及んでまだその言葉が僕を苦しめるのか。ふざけるな。結局成功体験をしなきゃならねえのか。童貞捨てた時だってそうだよ。金払って買ったセックスという行為だけでは、本当の意味での自信なんかつかなかった。自力で女性と信頼関係を築いてそういう行為まで持ち込めなけりゃ、本当にセックスしてやったぜ、という気持ちにはなれないんだ。頑張るしかないのか。なにを頑張るのか見当もつかないけど。もういい加減、顔見知りの結婚報告でうろたえるようなしょっぱい根性にはケリをつけたいんだよ。



とりあえず、アナルの開発を頑張るか。途中で諦めちまったしな。